新聞連載②「住み続けられる地球と住まい」マンション

発行・掲載

しんぶん赤旗に2022年4月1日から4月29日 毎週金曜日に連載

マンション100年古くない

 東京都内ではマンションに住む人が25%を超え、地域によっては90%に達するなど都市型居住として定着しました。地方都市でも、第2次建築ブーム時に建てられた築40年を過ぎたマンションも見られます。
快適に長く使う
 マンションはこれからも増えていくでしょう。マンションは木造住宅より多くのエネルギーを費やして建てられたコンクリート造です。適切な維持管理と改修をしながら快適に長く使うことは、気候危機に対してもよい効果をもたらします。
長生き集合住宅を求めて
 日本は欧米と比較して、戸建て住宅も集合住宅も寿命が短いといわれます。2008年にベルリンのジードルング6団地が世界遺産に登録されました。1913年から34年までに建設されたもので、石造ではなく、コンクリート造です。
 最も古い団地はすでに109年を経ています。私たちは2010年と16年に視察に行きました。住民の方に「歴史ある団地を見に来た」と話したら「100年は古くない」と、にこやかに答えてくれました。木々や花、緑の多い環境の中で、これからも暮らし続けられるという安心感がありました。
日本でも長持ちを
 増えていくマンションが、環境への貢献もできるよう、住まい手と専門家で研究や工夫を重ねていくことが必要です。
 新築、中古にかかわらず、マンションに入居した人はマンションの運営に関心を持ち、住民同士が手を携えて快適に住むための管理運営に積極的に携わっていくことです。建物は放っておいて長持ちするわけではありません。コンクリート躯体(くたい)だけではなく、屋根や壁、ベランダなどさまざまな部分で、経年変化や劣化が進行します。
 その進行の程度を調べる調査と診断がまず大切です。調査・診断の結果に応じて建物の修繕をします。新しい技術の応用、設備の改善によって、長持ちする防水、外壁塗料、アルミサッシ更新、配管の更生更新、屋上緑化、太陽光発電装置の設置などを行います。予定された寿命より延ばし、環境にも寄与できることが可能になっています。
 診断の結果を管理組合の中で居住者全体の認識にして、住民本意で大規模修繕工事の計画を立てます。工事の時期に一時金を集めるのは、なかなか大変です。適切な時期に工事を行うためには、修繕費用を計画的に積み立てておくのが合理的です。
 専有部分や共用部分に権利と義務の両方を持つ人たちが、住戸の数だけいます。気持ちを合わせ、実行することが求められます。
行政の支援求め
 マンションのコミュニティーは、入居した人同士で初めてつくることになります。管理組合の体制など、急いで確立しなければならないこともありますし、住民相互の助け合いや子どもたちの交流、高齢者支援など、ゆっくりとできあがっていく部分もあります。
 法令やマンションの規約、使用細則があるので、基本的にはルールにのっとりながら有機的な運営をします。
 マンションでは時々意見の対立があります。一つ屋根に暮らしている関係なので、「勝ち組」「負け組」ではない、双方がよかったと考えられる解決の仕方を目指すことが大切です。
 国土交通省では、耐震性とバリアフリーが確保できないマンションは、建て替えを推進しています。しかし、どちらも技術的には解決できる可能性は大いにあるので、建て替えの根拠にはなりません。
 耐震工事やエレベーター設置を進め、建て替えをしなくても住み続けられるマンションを考えるべきです。行政に対しては、そういったことにこそ効果的な支援を求めていきたいものです。(了)

ファルケンブルク庭園街 1913年 世界遺産

カール・レギエン・ジードルング 1928 世界遺産

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